この世界ができた「創世紀」に始まった「現実創造の暴走」・・・それは地球を中心として全宇宙に及ぶ「歪み」にまで発展しました。その歪みを癒すために古代のアイコンたちは派遣団を地球へと送り込みましたが、輪廻転生により本来の目的と記憶を失い、いつの間にか私利私欲のために動き始めました。暗礁に乗り上げる「歪みを癒す」ミッション・・・しかし、いざというときのために、「歪みを癒す」ミッションを背負ったもう一つのチームが動き出し、地球へと降り立ったのですが・・・
始まった選民思想
神の子と悪魔の子
ヒロキ:地球を中心とした「歪み」を癒すために、初回の派遣団が地球に降りてきたけど、輪廻転生によって派遣団のメンバーたちの記憶が失われ、結局地球を癒すお役目を背負ったそのメンバーの一人であるナンマ・ハニが、その他のメンバーたちに足を引っ張られる結果となった・・・。
ヒロキ:でも、いざという時のために、実はもう一つのチームが用意されていた。それは元々「ある人物のクローン」として作られたナンマ・ハニをベースとして、さらにそのクローンとして製作された「高度なスピリチュアル集団」であり、初回の派遣団たちよりも統制が取れていた。地球に降り立つ手段も彼らは慎重に吟味しており、結果として・・・
ヒロキ:当時、ヒーラーとしては最高級の力を持ったある人物の母親を、自分たちが生まれてくる媒体として選んだ・・・ということだったよね?
グスタフ:大体はそんな感じだね。
ヒロキ:それから後、彼らはどうなったの?
グスタフ:あなたが今言ったように、彼らが生まれてくる媒体として選んだ人物は、「優れたヒーラーであり、その後地球において多くの人々に信仰される宗教のベースとなった人物」の母親だ。
ヒロキ:そうだね。
グスタフ:そんな人物の母親のもとに生まれただけあって、彼らはすぐさま「その優れたヒーラーである人物がベースとなった」宗教を信仰する人々の中に溶け込み、いつの間にかそれぞれがその宗教を率いる存在になっていった。
ヒロキ:なるほど・・・
グスタフ:彼らが目指したのは、「愛のある創造の世界の再興」であったのは間違いない。なので、あなたの世界において大量に流布しているこの宗教団体の書籍も、至るところに愛があふれている。
ヒロキ:それはわかる。
グスタフ:ただ、彼らはあくまで目的遂行のために作られた部隊であり、その「愛のある創造の世界」にそぐわないと彼らが判断した者たちに関しては、排除の対象となった。
ヒロキ:・・・。
グスタフ:実際そういった者たちは、全てが・・・とは言わないまでも、エゴに任せて略奪、搾取を繰り返す者が本当に多かったので、「地球の浄化」をミッションとして降り立った彼らにとっては、「地球の歪みを助長する障害」としか思えなかったのだろう。
ヒロキ:それが十字軍とかに繋がったとか・・・?
グスタフ:いや、そんなに短絡的なものではないと思う。その「十字軍」というものに至るまでには、かなりの年月が経っているし、その頃にはこの宗教団体も規模が大きくなりすぎてしまっている・・・なので、その十字軍がこの呪術集団が心に抱いていた「地球の浄化」に直接つながるものであるとは言えない。
ヒロキ:そうなんだ・・・
グスタフ:しかし、この呪術集団たちがこの宗教団体に加わったことにより、「無意識の選民思想」がこの宗教団体に根付いたことは確実だと思う。ただ、地球に降り立った6人の呪術集団の中でも、それぞれにスタンスの違いがあった。
ヒロキ:それは・・・?
グスタフ:厳格な戒律を設けて「愛のある創造」を徹底しようとするもの・・・もう少し寛容な形で愛を広めようとするもの・・・いろんなスタンスがあった。
グスタフ:しかし、当初は統率が取れていた彼らも、やはり輪廻転生の犠牲となった・・・自分たちの本来の目的を忘れたり、歪めた形で体現しようとするものも現れた。そして、彼らの教えを受け継いだ者たちも勘違いして、この宗教団体を自分たちの私利私欲のために利用し始めたり・・・。
ヒロキ:やはり、そうなるよね・・・
グスタフ:そして、本来の目的を忘れ去った彼らは、輪廻転生を繰り返すうちにさらに「選民思想」を深めていく・・・そして彼らが率いる者たちの中には、「選民思想」から「他民族の排除」へと行きついてしまったものも現れた・・・
ヒロキ:結局はそうなってしまったんだ・・・
グスタフ:しかし、輪廻転生して記憶のほとんどを失った彼らでも、なぜかナンマ・ハニを意識する気持ちは残っていた・・・おそらく、自分たちが元々生まれたルーツが「ナンマ・ハニ」だということだと思うが・・・
ヒロキ:そうなんだ・・・そして、どうなったの?
グスタフ:彼らにとっては、地球に来る前からナンマ・ハニは「地球浄化に失敗した者」だった。「失敗した」どころか、ナンマ・ハニを中心として、結局は周りにいる者が私利私欲にまみれ、エゴを加速させていく・・・
ヒロキ:ナンマ・ハニには責任がないとしても、結局はそうなったよね。
グスタフ:結局、彼らは自分たちを「神の子」と呼び、ナンマ・ハニを「悪魔の子」と呼んだ。実際にはナンマ・ハニのみを特定したわけではなかったが、彼らが「悪魔の子」と呼んだ人達の中には、間違いなく輪廻転生したナンマ・ハニが入っていた。
ヒロキ:・・・。
グスタフ:しかし、実際のところ、この呪術集団たちは、輪廻転生後は自分たちの主義を広め、その覇権を広げるのに手一杯で、ナンマ・ハニを攻撃する余裕などなかった。
グスタフ:しかし、この時点で初回の派遣団であるナンマ・ハニたち、そして二回目の派遣団とも言えるウル・バウの私設呪術集団たちの両方が、本来の「地球浄化」という目的を見失い、それぞれがそれぞれの私利私欲に走り出すことになったことは間違いない・・・
ヒロキ:地球浄化のプランはまた暗礁に乗り上げたね・・・
暴走する選民思想
ヒロキ:そこから彼ら「呪術集団」はどうなったの?
グスタフ:ベースが大きな「宗教」というシステムだったため、彼らの影響が広がるのは早かった。もちろん、その宗教団体の中には彼らの影響に抗う者もいたが、所詮は力で優勢な彼らには勝てなかった・・・
ヒロキ:実際に僕たちのところでいう「中世」という時代には、この宗教に所属している者たちによる汚職も酷かったようだしね・・・。
グスタフ:汚職などはまだまだかわいいものだと思う。一番大きな影響は呪術行為を中心とした「秘密結社」だった。この頃には元々媒体としていた「宗教集団」すら、もはや大きく逸脱していた。
ヒロキ:僕たちのところで言われている「陰謀論」、「イルミナティ」というものかな・・・
グスタフ:そうだね。
ヒロキ:「陰謀論」と言うくらいなので、どこか大袈裟めいたものがある「都市伝説」的なものと考えている人たちが僕たちの世界では大半だと思うのだけれども、どうだろう?
グスタフ:正直に言えば、大袈裟に伝えられている部分もかなり多い。ただ、あなたたちの世界の人たちは「人の思念が及ぼす影響」について、あまりにも軽く見ている。
ヒロキ:ということは・・・やはりそのような動きがあったと・・・?
グスタフ:あなたたちの世界における中世から近代にかけて、彼らの呪術の影響は大きかった・・・とは間違いなく言える。
グスタフ:さらに、当時は人と人とを繋ぐネットワークも脆弱であり、人が得ることができる情報量も少なく、人々もすぐに影響を受けてしまうような環境だったため、彼らの影響力はあっという間に広がった。
ヒロキ:呪術単体の影響というよりも、その当時の人々が情報を発信したり、情報を得たりするネットワークの偏りだとか、その中で生きる人々の意識も大きな要因だったんだろうね。
グスタフ:もちろん、そのような影響も大きかった。
ヒロキ:大体いつ頃まで影響力があったんだろう?
グスタフ:今でもそのような団体の呪術部門は存在している。ただ、力としてはかなり小さい。もちろん、時にはそのような現存している呪術部門の術が影響を及ぼすこともあるが、大抵があなたたちのところで言う「中世から近代にかけて」の彼らの活動の影響が、今もまだ根強く残っている状態だと考えていい。
ヒロキ:例えば、どんな影響があるのだろう・・・
グスタフ:例えば、あなたのたちの世界において、まだ世界各地で戦争が頻繁に行われた頃、ヨーロッパである民族に対する弾圧を徹底的に行なった人物・・・彼もその影響を非常に強く受けている・・・
ヒロキ:なるほど・・・
グスタフ:彼がトップに君臨するようになるまでには、かなりの数の人たちが彼をサポートしていたが、やはりその中にはこの影響を強く受けた人たちがたくさんいた。
ヒロキ:なんとなく、そんな話は聞いたことがあるような・・・
グスタフ:この流れは現在のあなたたちの世界の情勢にも大きな影響を与えている。これは僕が話すよりも、あなたたちの世界での「陰謀論」とやらを含み、そちらの情報の方が詳しいだろう。
ヒロキ:・・・。
グスタフ:もちろん、創世紀において現実創造における暴走を止めることができなかったことも原因の一つだし、それを修正しようとして地球に降りてきておきながら、暗礁に乗り上げてしまった派遣団たちにも責任はある。でも、今日の地球の現状は、彼らの「選民思想」が及ぼしている影響も非常に大きいんだ。
ヒロキ:なるほど・・・
地球を癒すため、ナンマ・ハニたちの後に続いて地球に降り立っていながら、やはり輪廻転生によって記憶が失われ、選民思想へと至り、やはり暴走することになった呪術集団たち・・・次回はこれからの地球がどうなっていくのかを書いていきます。
この記事は グスタフの黙示録・第9章 〜始まった選民主義〜 です
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