一時期世間を賑わせた「断捨離」、物理的な生活においても、スピリチュアル的な観点から見ても、何であれ「持ちすぎる」というのは動きを鈍らせ、物事の本質を見えにくくします。
でも、「あんまり捨てすぎてしまうと、後になって『捨てるんじゃなかった〜!』って思うかも」と不安になる人もいるでしょう。
今回は後悔しない「断捨離」のやり方をお伝えします。
断捨離で後悔しない!手放すことで身軽になる5つのポイント
1.動機が肝心
何事も動機と目的意識がはっきりしていると、手順やペースが乱れてしまっても、ちゃんと収まるところに収めることができます。
基本的に断捨離は「今のあなた」には不要なものを、物理的・精神的、量的に手放すことを指します。
物の価値が終わっているもの、あなたが今後活用するつもりがないものを手元から無くすことで、スペースを作り、無駄の少ない、身軽な環境を作ることが目的といえます。
〇量を減らす
断捨離は手始めに簡単なものから手をつける方がよいでしょう。
・年単位で使っていないもの
・普段使いのもので、長らく使っていないもの
・手に取って愛着を感じないもの
・頂きもので使いたくないもの
・リサイクル・リユースが難しいもので、手放したいもの
これらは考え込まずとも、時間をかけずに行うことができます。
年末の大掃除のように、玄関から自室の隅々までを掃除しなければいけない、というようなことではなく、局所的に選んで物量を減らすことができます。
〇情報を断捨離する
断捨離は物を捨てるだけを意味するわけではありません。
私たちの生活は情報が飛び交い、五感が疲労しやすい環境になりやすいものです。
SNSでの交流やメールボックスのメール数、ラインやSkypeなどの通信手段の増加などが原因で、便利にはなったものの、取捨選択しなければ、私たちには膨大な情報が入って来ることになります。
無駄な情報を遮断し、あなたが自主的に得たいものだけを選ぶ環境づくりを整えることをお勧めします。
・テレビはつけっぱなしにしない
・音楽やラジオ、インターネット配信の動画などは常時流さない
・SNSでの交流は強迫観念からではなく、楽しみとして使い、使用頻度も短時間に抑える
・メールは不要な情報は仕分けし、読む手間と削除する手間をなくす
私たちは自分のペースを乱されると、誘導されやすくなる、本心から選べなくなるという心理があります。
ですからネット通販や勧誘、巧妙なビジネスは短時間で、限定的な方法であなたの購買意欲をそそり、物を流通させます。
それ自体は悪いことではなく、経済が回る大きな要素ではありますが、本当に必要なものであるかは別問題です。
情報と物の取捨選択は、あなたが身軽で理性的であるからこそ賢くできるのです。
〇断捨離をする意味
断捨離という言葉を分解し意味をみてみましょう。
「断」は絶つ、断ると書き、意味は無くす、決める。
「捨」は捨てる、ほどこすと書き、意味は捨てる、ほどこす、平静な状態
「離」は離す・離れると書き、意味は離れる・隔てる・別れる、並ぶ
断捨離は「調和を取り戻す」ための思想といわれ、あなたの生活を物自体から離し、執着と強欲から離れた静かな状態を与えてくれるものだといえます。
断捨離を単に片付けと捉えて衝動に任せてしまうと、目的が達成されないでしょう。
断捨離を行う場合は、目的や動機を明確にし、物に溢れた生活から脱出するために行うことをお勧めします。
2.大切なものを知る
なぜ断捨離をして後悔する人がいるのでしょうか?
後悔することの1つとして、物の価値を理解していなかったこと、本当はまだ手放す時ではなかったことが大きな原因といえます。
私たちは物に愛着、頓着、執着します。
愛着は大切にすること。
頓着は深く気にかけること。
執着は固執すること。
あなたは物や人にどの程度の気持ちを「着き」ますか?
心理学では愛着理論という理論があり、人や物にどのように、どの程度の愛着を持つかが研究されてきました。
あなたが物に惹かれることにはちゃんとした理由があります。
昔使っていたものに似ている、大切にしていたものの素材と同じである、好きな人から貰った物と似ている、心が惹かれる形、色、テーマ、作られた背景。
環境や性格により、私たちの好き好みや感性、癖が形成され、欲は金銭感覚と、所有感覚、物を整理、管理する思考、感情の制御に関わってきます。こういった事柄がいつの間にか我々の生活をコントロールしているのです。
断捨離をする目的は、不要な物と執着から解放され、記憶や想い出、経験の証である大切なものを見つけ、それを残すことで、生活を豊かにすることです。
そんな中大切なものさえ手放してしまってから、我に返った時に、後悔してしまうのかもしれません。
断捨離をする際に気をつけていただきたいのは、あなたの過去、経験、想い出、人との繫がりを思い出させるものを「使わないから」と勢いで処分してしまわないことです。
また家族や恋人、配偶者といえども、勝手に人のものを処分してしまわないことも大切です。
断捨離は「責任」を持って自分で行うことが収拾をつけることでもあるからです。
3.執着を認める・手放す
私たちが目に見える物に対して何らかの理由で心惹かれ、傍に置くことを「愛着を持つ」といいます。
しかし深い理由はなく、買った記憶や理由、どこにあるかわからないなどの状態の中にあるものは、愛着を持っているとはいえません。
また逆に不要な面ばかりでなく、過去や物に対するこだわりや思い込み、感情を持ち過ぎていることも注意するべきです。
断捨離を上手くできない大きな理由は、自分が物にどのような執着を持っていて、それが健全であるかどうか、あなたの心を本当に豊かにするかどうかが判断できないからです。
・買った当時の値段が高かった
・オシャレするためにブランド品がないと落ち着かない
・過去の恋人からのプレゼントを未練から持っている
・物は質よりも量で、囲まれていないと不安
・買うこと、所有するこが快感
・複数同じものを揃えておきたいと、活用しないこと
・貰った、与えてもらったものを処分できない
・単純に捨てたくない
・豊かさイコール物の量である
ゴミ屋敷を例にするのは少し大げさかもしれませんが、感情の赴くまま、欲と癖を実現化させてしまうとそうなるかもしれませんね。
物を溜め込む人の心理状態は、溢れかえった物の1つ1つにこだわりがある場合もあれば、単純にゴミを溜めこんでいる、もしくはその両方であることも考えられます。
人の価値観や性格、視野や思考パターンには、成り立った理由や背景があります。
所有することもその中に組み込まれているため、誰かがアドバイスしたからといって簡単に変えられるものではありません。
物や感情を整理する、手放すということは、自分で行い、「納得する」からこそ断捨離なのです。
値段は市場の相場であり、古いものでもあなたの想い出や想い入れがあれば、あなただけの付加価値がつきますし、誰かのものはあなたにとってゴミでしかないこともあります。
断捨離をする際には、それがあなたの下にもう戻ってこないことを理解し、気持ちに整理がついて手放して良いと自分に「許可」して行ってください。
後で悔いても物も時間も戻っては来ませんから、せっかく時間と労力を使うこの大きな作業を内省しながら行うことが、真の断捨離になります。
4.価値あるものを味わう
「安物買いの銭失い」という言葉は若い頃ならまだ許されるかもしれません。まだ物の価値を見極める目も経験もない時です。
しかしよい大人になっても安い物を多量に買う、消耗品でもないのに何度も同じものを買う、使い道のないものを衝動的に買う癖は、見直さなければいけません。
また言葉を変えれば、物の価値を理解し、物の有難みを知ることで無駄使いはなくなり、手元には健全な愛着が残るといえます。
値段が高いものに価値があるのは、市場だけの話ではありませんが、あなたが一度も開封しない物は活かされていない以上、価値がないものとみなされても仕方ありません。
あなたの心の琴線に触れる物、あなたの生活に合う物、あなたの現在の身の丈に合う物、または自分に投資する名目で迎える物などは、一際大切にしたいと思える物です。
それに加え出逢った時の感動と感情、記憶は、愛着があるほど蘇りやすいものです。
そういったあなたの経験や歴史を思い出させてくれる大切な「価値」が、あなたの生活を満たしてくれるといえるでしょう。
無駄な物が多い、スペースを取る、掃除がしにくい、整理ができない、腐敗しやすい、保存できない物が溢れる状態ではそういった価値も埋もれてしまいます。
断捨離はあなたの中で価値の順位や優先順位をつけ、あなたの部屋や心、記憶の不要なスペースを空け、いざという時のために余力と余白を準備しておくお手伝いをしてくれます。
価値あるものを選び、味わう物の見方と、本物と偽物を見極める真贋(しんがん)を判断する能力を身に着けることが大切です。
お金に余裕があるからと、あってもなくてもよいものを買い続けることよりも、幾千とある物の中から価値を見出し、大切にし続ける方がより愛着がわき、豊かになるのではないでしょうか?
価値の高い物を提供するお店を利用する、物の背景や作られる過程や工程を知る、作り手の想いを知るなどを積極的に知ろうとすればするほど、より物の価値を引き出し、大切に物を扱うことができるでしょう。
5.循環させる生活を送る
流行りものに乗っかり、新しいものに挑戦することは良いことですが、その価値がわからないまま終わってしまうのは大変もったいないことです。
また気軽に始めたつもりが、後悔し、やり直しをすることになっては本末転倒。
何事もいくらかの成果や結果が出て初めて分かることがあります。
以前断捨離が失敗してしまったのであれば、なぜ失敗してしまったのか、というところから始めましょう。
断捨離は決して捨てることが目的ではありません。
身軽になることは現実的な面と精神的な面とがありますが、そこにもう1つ社会的な面も含まれます。
「貢献」するということが、よりあなたの物に対する愛着が磨かれます。
フェアトレードや収益の一部を寄付するプロジェクト、ボランティアや支援活動を取り入れられているお店や会社などの商品を利用することも社会貢献になります。
「捨てる神あれば拾う神あり」というように、本来使い道があるのにも関わらず、見限って捨ててしまうことは大変残念なことです。
断捨離の一環として、不要なものを要らないからではなく、「循環させる」意図から、支援活動に回してください。
「使ってもらう」心は施しとして、誰かの元へ行き、あなたは社会貢献に貢献できるのです。
物が溢れるようになり、人はより物の真価と扱い方に迷うようになりました。
お金がなかった頃に想いを馳せましょう。お金がない人の現状を知りましょう。お金が有り余る人の態度や振る舞いで、人のために頑張っている人について知りましょう。
お金が有り余っても尚、金儲け主義であらゆる面で人を食い物にしている愚かさについて考えましょう。
あなたが使うお金がより良いものに使われるように、あなたの周りに集まるものがより良い豊かさを呼び寄せるように、あなたはあなた自身のことをから始め、外の世界と調和する意識を育んでください。
そうすればあなたの断捨離は本当の意味で成功することでしょう。
断捨離で後悔しない!手放すことで身軽になる5つのポイント まとめ
1.動機が肝心
2.大切なものを知る
3.執着を認める・手放す
4.価値あるものを選ぶ
5.循環させる生活を送る