大昔、水面が映す「水鏡」が最初の鏡だといわれています。
波紋が広がれば、景色が揺らぐ。古来の人は自然とともに生きながら、目に映る全てのものに儚さを見ていたのかもしれません。
鏡の役割は時と場合により異なります。身だしなみを整えるため、運気を整えるため、ご神体として奉るため。
今回は鏡の役割や効果に着目して、日常生活で役立つ風水的な鏡の使い方をご紹介します。
風水で鏡を上手く活用して毎日を安心安全にする5つのテクニック
1.玄関に鏡
玄関は人の出入りだけでなく、運気の入り口でもあるとされています。
縁や運は家族と一緒に家の中に入って来るとともに、来客さえも運気の運び屋さんになりえます。
また目に見えないものは菌やウィルスだけでなく、運や霊的なエネルギーも含まれるため、玄関でどのように運を取り込み、邪を追い払うかが重要です。
玄関の風景といえば、何を思い浮かべますか?花瓶に生けられた花や観葉植物、置物や絵でしょうか?
その中でどれくらいの家の玄関に鏡が置かれているでしょう。
鏡は全てをありのまま映し出す魔法の道具であると同時に、光を反射することから、悪縁や邪気を跳ね返す効果があると知られています。
また形にも注目してください。
形にはそれぞれ役割があります。
・丸い形は繰り返しや永遠のイメージ
・三角形は創造性を象徴する
・四角形は安定や安心のイメージ
・五角形は自由や変化のイメージ
・六角形は調和や統合を象徴する
様々な形がある中で、お勧めしたいのは八角形です。「末広がり」や「良縁」などの運気を上げる形であるとともに、「神聖さ」の象徴とされます。
玄関を掃除する、無駄な物は置かない、水気を無くす、靴は出しっぱなしにしないなど、綺麗な環境づくりをしつつ、観葉植物や花とともに八角形の鏡を置くことは良い運を招くテクニックです。
玄関から神聖さや招かれた気持ちを覚える家は、大変居心地の良い家になるでしょう。
2.取り込む
〇陽の光を取り込む
家の中に陽の光が射さないとすると、陰気で湿っぽい暗い景色が思い浮かびます。
季節的な陽の量は仕方がありませんが、早朝の日光には私たちを元気にしてくれる力があります。
朝の光を浴びることで脳内では幸せホルモンが分泌されやすくなり、夜には熟睡しやすくなります。
陽の光が射す窓際に観葉植物とともに、鏡を添えてみましょう。外の景色を部分的に映すということは、外の陽気を取り込むことになります。
それはダイニングでもよいですし、ご自分の部屋でも良いでしょう。
しかし外に向かって鏡は置かないようにし、横向きや斜めにし、光を正面から反射しないように注意してください。
テーブルの上に折り畳み式の鏡でもいいですし、大きめの鏡でもよいのですが、夜はカバーをかけ、暗闇を映さないようにしてください。
鏡はありのままを映すため、寝静まった夜に何が映り込むかわかりません。
〇月の光を取り込む
日光と同様に、月の光を取り込むこともできます。「満月鏡」を指しますが、満月の日に鏡に満月を映します。
そして月の浄化力と相まって、鏡に映った満ちた月を眺め、ご自分の姿を映すことで、運気と月の力をいただきます。
新しい年の最初の満月の日に作った満月鏡は、一年間効力が続くとされています。
またなりたい自分や思い描く夢をイメージすることが大切です。
ありのままを映す鏡に、満ち欠けが完成した満月とあなた、また創りたい未来のイメージを映すことで、気の流れだけでなく、宇宙の恩恵を受けることができるかもしれません。
3.跳ね返す
〇鏡を持ち歩く
玄関に鏡を置くことで邪気を跳ね返すように、ポケットサイズの鏡を巾着に入れて持ち歩くことで、危険を回避することができます。
その際鏡は丸いものを選びましょう。
巾着は赤やピンク、ゴールドや白など、邪気を吸収しない色が好ましいとされます。
服の下に鏡をモチーフにしたペンダントを提げるのも良いでしょう。
〇御手刀
鏡からは少し逸れますが、三種の神器である鏡、勾玉とともに剣も強力な邪気払いになります。
銃刀法違反にひっかからないように、必ず人目につかないよう鞘に収めて袋にしまい込み、鞄に入れて携帯するのもよいかもしれません。
〇吸収する
鏡はありのままを映すと同時に、映ったものが発するエネルギーを倍増する作用があります。
ですから鏡に映るものは美しい、清潔で気分が良くなるものである方が良いでしょう。
またあなたが鏡に自分を映す時、笑顔の練習をする、気合を入れて前向きな言葉を言うことは、鏡に向けて肯定的な言霊と気持ちを放ち、自分に返すことになります。
鏡は使い用によって、頼りになるアイテムになるということですね。
4.方位と鏡
玄関に鏡を置くことで良縁を呼び寄せるように、他の部屋に鏡を置くことで運気をアップさせることができます。
風水では「方位」という言葉を使い、向きや場所に左右されない、定められた方向を意味します。
「方角」はベクトルや向きを意味するため、位置が変われば方角も自ずと変わります。
〇西の方位に鏡を置く
金運と良縁を呼び込むとされています。
鏡自体が「火」の氣を持つため、活気を持つものを置くことで、運気を呼び込みます。
〇南の方位に姿見を置く
風水では南の方位は火の気を表し、内なる魅力である「美」や「知性」、「才能」を司る方位です。
〇置いてはいけない方位と場所
・部屋の正面や扉に鏡は掛けないようにしましょう。
目的がなく、咄嗟に姿が映り込むのは運を散らします。
・寝室やリビング、勉強机などにも鏡は置かないようにしましょう。
それは集中力や落ち着きがなくなること、運気を吸い取ってしまうためです。
5.神と鏡と私
鏡は神棚や神社の拝殿に置かれ、神との繫がりを思い出す「依代」(よりしろ)とされます。
ありのままを映すことで偽りを取り払い、邪気を追い払う鏡は、強大な力を持ちます。
神道の国であった日本では、「磨く」ということを大切にしてきました。
ガソリンスタンドでの窓ふき、会社での清掃員、生活雑貨のテーブルや椅子、床の拭き掃除やワックス掛けにすら、その清らかさを保つ国民性を見出すことができます。
あなたが何気なく使っているその鏡は綺麗ですか?眼鏡さえも曇りなく景色を映していますか?
鏡を磨くことは、常に清らかさを保つということです。
家にある鏡、持ち歩く鏡、家の社である神棚の鏡、それらの全ては磨いてこそ、気の巡りを円滑なものにしてくれます。
鏡から我を抜くと神になるという表現は、大げさかもしれませんが、あながち嘘っぱちではありません。
あなたが正しく誠実な人間であろうとすればするほど、あなたを味方したい存在や気は集まってくるものです。
それが人との出逢いである縁、仕事や恋愛の気の流れだったりするのではないでしょうか。
鏡を使うということは、自らを常に磨くために清らかな状態を知るということです。
そしてあなたは日々あなたの魅力を確認できることでしょう。
風水で鏡を上手く活用して毎日を安心安全にする5つのテクニック まとめ
1.玄関に鏡
2.取り込む
3.跳ね返す
4.方位と鏡
5.神と鏡と私