地球を中心として生じる歪みを修正するために、派遣団の一人として地球に降り立ったにもかかわらず、同じく派遣団の一人であり、第3ラガシュ王朝の王となったウル・バウによって利用され、暗殺されたナンマ・ハニ。その後も、輪廻転生後にナンマ・ハニの復讐を恐れたウル・バウは、ナンマ・ハニに呪術をかけてナンマ・ハニの力を奪おうとしました。当初の目的からどんどん離れていくナンマ・ハニ。しかし、彼らとは別のところで新たなる動きが出てきていたのです。
ウル・バウの呪術集団たち
ナンマ・ハニに襲いかかる何重もの苦難・・・
ヒロキ:前回は、地球に送られた派遣団の一人であり、メソポタミアの第3ラガシュ王朝の王となったウル・バウが、同じく派遣団の一人であり地球の歪みを修復する重要な役割を担っていたナンマ・ハニを利用して、自分の王座を継がせ、結局は国ごと敵国のウル第3王朝に売り払ってしまった。そして、ナンマ・ハニは敵国にも警戒され、暗殺されたと・・・
グスタフ:そうだね。
ヒロキ:そしてウル・バウは輪廻転生後のナンマ・ハニの復讐を恐れ、さらにナンマ・ハニに呪術をかけてその力を奪おうとした・・・ということだったよね?
グスタフ:その通り。
ヒロキ:この後はどのようになったんだろう?
グスタフ:メソポタミアで暗殺されたとはいえ、元々地球の歪みを修正するために作られた「クローン」だったナンマ・ハニには優れたスピリチュアル能力があった。その能力故に、その後の来世において、政治、宗教の中心的な人物を演じるようになった。
ヒロキ:ほう・・・
グスタフ:その後、紀元前15世紀頃、今のトルコのアジア側の地域となる「アナトリア」において、政治の分野で中心的な役割を演じることになった。当時、政治は宗教と融合していたのでやはりナンマ・ハニの能力は重宝された。
ヒロキ:やはり能力故に、そのような分野に関わることになったんだね。
グスタフ:しかし、そこでウル・バウによる「力を奪うための呪術」が影響し始める。
グスタフ:ナンマ・ハニはそこで3人の呪術師である女性と関わることになり、この3人の女性が彼を巡って、お互いに何度も何度も呪術をかけ合った。
ヒロキ:へ?
グスタフ:要するに「自分こそがナンマ・ハニと一緒になるんだ」と相手を蹴落とすような術をかけたり、でも3人は友達同士でもあったので、時には人間的な感情から相手を応援するような呪術をかけたり・・・
ヒロキ:複雑だね・・・
グスタフ:ただ、いずれにせよナンマ・ハニがテーマとなっていたので、「ナンマ・ハニ」と「彼にとって大切な他の人」との縁を切ったり、または必要以上に自分たちとナンマ・ハニとの縁を強めたりと・・・
ヒロキ:まさに呪術地獄・・・
グスタフ:結局、彼女たちがナンマ・ハニをターゲットとしてお互いに呪術を掛け合ったことにより、彼女たち3人とナンマ・ハニとの悪縁がずっと続くことになったんだ。
グスタフ:それだけでなく、彼女たちが何度も何度もお互いに呪術をかけたことにより、その影響がナンマ・ハニのその後の幾つもの来世にも続くことになった。
ヒロキ:ということは・・・輪廻転生を経ても、彼女たちの術が効いて、大切な人との関係性が裂かれたりしたんだね・・・
グスタフ:そう。そして、彼女たちとの悪縁も付き纏った(つきまとった)。
グスタフ:そして、さらにこの3人はナンマ・ハニ本人に対しても、何度も何度も呪術をかけたので、ナンマ・ハニは更なる「呪術まみれ」の状態になったんだ。
ヒロキ:ウル・バウの後に、さらにそんな状態になったんだ。
グスタフ:ただ、彼女たちがこのような行動に出たのも、元々はと言えばウル・バウがかけた術が原因なんだよね。結果として、彼女たちがかけた呪術は何十回にも及ぶため、まるで地層のように幾重にもナンマ・ハニを包み込んだ。そしてこれが、ウル・バウの呪術とともにナンマ・ハニをさらに苦しめることになる。
ヒロキ:もう、地球を救うお役目どころじゃないよね。
グスタフ:そして派遣団のメンバーの中に、ウル・バウと結託してクローン計画を利用していた者が他にもいたんだ。
ヒロキ:どういうこと?
グスタフ:そもそも現実創造でやりすぎて、暴走し始めた創造を止められなくなったのは、ウル・バウよりも上の存在だった。それを見て、ウル・バウは「こんな奴らよりも、自分がトップになる」という野望を抱いたわけだが、そのウル・バウの野望に乗じた者たちがいたんだ。
ヒロキ:ウル・バウだけではなかったんだね・・・
グスタフ:彼らの目的も、ウル・バウの計画に乗じて「自分たちがトップになること」だった。まあ、私利私欲まみれだったので、輪廻転生してもその本質は変わらなかったのかもしれない。結果として、彼らも輪廻転生して本来の目的を忘れ、ナンマ・ハニを苦しめる側に回った。
ヒロキ:二重苦、三重苦だ・・・
グスタフ:結局ナンマ・ハニはその後、インドなどでもある程度重要な役割に就くことになるが、どんどん力は衰え、それに比例するかのように周りの人間たちのエゴに翻弄され、苦しめられるようになっていく・・・
ヒロキ:そもそも、輪廻転生対策をしなかったのが原因かもしれないね・・・
グスタフ:実はそこで、もう一つの「派遣団」とも呼べる存在が現れつつあった。
ヒロキ:それは何?
次なる刺客、ペルぜブブ・・・
グスタフ:地球にやってくる前のウル・バウが「クローン計画」(詳しくはこちらを参照:グスタフの黙示録・第1章 〜この世界はどうして生まれたのか、そしてどうなっていくのか〜)を思いついたわけだが、その計画に乗じてきた他のメンバーたちを、そもそもウル・バウは信用していなかった。
ヒロキ:まあ、なんとなくわかる気はする笑
グスタフ:なのでウル・バウは、万が一彼らが裏切ったときのために、自分の援軍となるべく「私設の呪術師部隊」ともいえるものを用意していた。
ヒロキ:それは・・・?
グスタフ:万が一、ウル・バウが危機的な状況に陥った時、彼らが動いて敵を殲滅し、ウル・バウの本来の目的を遂行する・・・
ヒロキ:ウル・バウはそんなことまで用意していたんだね。
グスタフ:「クローン計画」に携わっていたウル・バウは、クローン技術に関しては熟知しており、クローン第1号であったナンマ・ハニをさらに上回るようなクローンを何体も作り、それを私設の呪術部隊としていた。
ヒロキ:そんな部隊があるならば、さっさとそれを使えばよかったんじゃないの?
グスタフ:おそらく、ウル・バウはそのような部隊を当初から動かすことによって、自分の本当の目的が周囲に悟られるのを恐れたのだと思う。
グスタフ:ウル・バウの本当の目的は「地球の歪みを修正することを交換条件として、自分がトップの座につくこと」だったので、自分より立場が上のアイコンたちに「地球の歪みを直すから、それと交換にトップの座を譲れ」と要求してから、私設の呪術集団を動かしても十分だと考えたのだと思う。
ヒロキ:なるほど・・・
グスタフ:ただ、ウル・バウの誤算は、彼自身が「輪廻転生」を甘く見ていたこと・・・「死」によって記憶を失ってしまうことはある程度予想していたとしても、ほとんど忘れてしまうとは思っていなかったのだろう。
ヒロキ:なるほど・・・
グスタフ:結果として、ウル・バウが輪廻転生を繰り返し、記憶がどんどん薄らいでいくにつれて、ウル・バウとその私設の呪術部隊との繋がりはどんどん薄れ、最終的に分断されてしまった。
ヒロキ:結局、その集団はどうなったの・・・?
グスタフ:ナンマ・ハニはウル・バウによってクローン第1号として製作されたものだった。しかし、その後に続く「クローン第2号」とも言えるこの私設呪術部隊は、ナンマ・ハニとは明らかに違っていた。ウル・バウは、あらかじめ彼らに「動くべき目的」をインプットしていたようなんだ。
ヒロキ:その目的とは・・・?
グスタフ:もちろん、地球を中心として生じる「歪み」の修正だよ。なぜなら、ウル・バウは派遣団として地球に降り立った時点で、本来の目的である「歪みを修正する」ところまでたどり着けるかどうか確信できなかったんだ。
ヒロキ:え? そうなの?
グスタフ:ウル・バウがわざわざ自分が派遣団として地球に降り立った理由は、「自分が地球を支配すること」だった。最優先課題は「地球の支配」であり、その後に「地球の歪み修正」を実行するつもりだった。でも、その「地球の支配」にどれほどどれほど時間がかかるのかは全く予測できず、その後に続く「地球の歪み修正」にさらにどれくらい時間がかかるのかは尚更予測できなかった。
ヒロキ:なるほど・・・
グスタフ:なので万が一、自分の「地球支配」が思ったよりも手こずった場合、地球の歪みがさらに進んでいく可能性もあったため、そんなケースのために自動的に「歪みを修正するプラン」が発動される必要があったんだ。
ヒロキ:うんうん・・・
グスタフ:おそらくウル・バウは、予想以上に時間がかかった場合、何らかの合図を自分の私設呪術部隊に送るつもりだったのだろうが・・・残念ながら、ウル・バウは輪廻転生によってそれすら忘れていた・・・おそらく、ナンマ・ハニの復讐を恐れてナンマ・ハニに呪術をかけまくっていた時点で忘れていたんだろう。
ヒロキ:そうだよね。そもそも、「そんな部隊がいるんだ」と覚えていれば、そこまでナンマ・ハニを警戒する必要はなかったと思う。
グスタフ:そして、時間がかかりすぎてそのような状況になることも予想できたので、ウル・バウはあらかじめ呪術集団達に、自分の指令がなくても動き出すことができるような「動くべき目的」をインプットしたんだ。
グスタフ:結局、彼ら呪術集団は、自分たちの主人であるウル・バウとのつながりを絶たれた。でも、彼らにはあらかじめインプットされた使命がある・・・結果として、彼らは独自で動き出すようになった。
グスタフ:彼らがあなたたちの世界で言われている「ペルゼブブ」だよ。あなたたちの世界では「魔界の君主」などと言われているようだが、本来は高度な能力を持ったスピリチュアル集団だ。
グスタフ:新約聖書では、「律法者が、イエス・キリストのことを『悪霊の頭、ペルゼブブの力を借りて、イエスが悪霊に取り憑かれた人を救っているに違いない』と非難した」とあるが、このストーリーが「当時の人々のペルゼブブに対する認識」を如実に述べていると思う。本当に高度な力を持ったスピリチュアル部隊なんだ。
ヒロキ:そうなんだ・・・
グスタフ:ただ、彼らペルゼブブの存在が、ナンマ・ハニとともにこの地球の運命を左右していくことになる。それが今の地球の姿へと繋がっているんだ。
ヒロキ:どんどん歪み修正から遠ざかっていくね・・・
地球を起点として生じた歪みを癒すために地球に降り立ったナンマ・ハニですが、輪廻転生によってどんどん本来の自分のお役目から遠ざかることになります。次回はペルゼブブが地球にどのような影響を及ぼしたのかをお話ししていきます。
この記事は グスタフの黙示録・第7章 〜後から現れた刺客たち〜 です
次の記事は グスタフの黙示録・第8章 〜二極化し始めた地球・降り立ったペルゼブブ〜 です
この記事の前の記事は グスタフの黙示録・第6章 〜運命を狂わせた呪術〜 です。