瞑想というものは、邪念を払い、無心の境地に至るというものです。しかし最近、瞑想により精神的に問題が起きるという実例が現れています。
禅を体験中に、いきなり泣きだす、笑い出す、精神が不安になるなどの症状があるようです。ただ、これを瞑想のせいと言い切ってしまうのは問題があります。何故なら、そういった状態になるのが若い女性や思い込みの激しい性格の人と限定されるからです。
瞑想は正しく実践すれば、精神的な安定感など明らかにプラスの効能があります。今回は正しい瞑想方法について、押さえておきたいポイントをご紹介します。
瞑想は危険なの?抑えておくべき7つのポイント
【集団心理】
若い女性に起きやすい症状として、集団パニックがあります。いきなり、次々と倒れたり、おかしな症状が伝染したりします。情緒不安定な時期に起きやすく、この時期特有のものです。心理的な働きに異常が起きるんですね。
もちろん瞑想中もやはり普段とは異なった心理状態になりますから、こういったことも起きる可能性はあるのですが、やはりかなり特殊な状況であり、このような特殊な状況を判断材料にして「瞑想は危険である」と決めつけるのは無理があります。
【瞑想の基本】
瞑想はもともと、精神的にある程度自立し、確立した人物が更に神に近くなるための精神修行として始めたものです。
ヨガ瞑想や禅女子などに見られる1種のブームでは深く考えず、単に「瞑想を取り入れたら何かいいことがあるんじゃないか」という視点から導入しますから、どんな人に良くて、どんな人には合わないなどは、考えていません。
もちろん、正しい知識のもとに、正しく実践すればほとんどの人に問題はないのですが、中途半端な知識と認識で始めた結果として特殊な状況になってしまい、アクシデントが起きた事例ばかりが強調されてしまっています。
▪集団でやるべきではない
瞑想とは、静かな部屋で1人でやる事がベストです。集団でやれば他の誰かの強い気に充てられることがあります。それが情緒不安な人に伝染し、集団パニックを起こしたりするのです。
出来るなら、瞑想は1人でやることがベストです。また、思春期、精神的に不安定な人は複雑な瞑想に取り組むよりも、呼吸に意識を向けて自分の頭の中に流れる思考を眺めるというようなあまり精神的な負担がなく、簡単に精神の安定をはかることができるやり方を推奨します。
▪ちゃんとした瞑想の知識がある人
集団でやる場合は、瞑想のやり方の講義のみにとどめて、実際の瞑想を生徒にさせるときは極力注意が必要です。
集団心理を学ばずして、セミナーで人を集めてただ瞑想をさせるというのは極めて危険です。何か不慮の事態が起こった場合、対処出来ないのに簡単にセミナーを開くケースがあるのが問題なのです。
【正しい瞑想法】
おすすめするのは軽い瞑想であり、深い意識下にはいるようなものはしっかり瞑想の意味ややり方、知識、心理を学んでからやるべきです。
誰でも出来る瞑想と、ある一定の精神に達した人がやる瞑想は分けるべきなのです。
軽い瞑想とは、軽く目を閉じ、呼吸法をマスターしたら10分位目を閉じます。精神が落ちついて、静かな場所で、自然の水のせせらぎなどのバックミュージックをかけながらすると効果的です。
この場合の瞑想は、心の安定をはかることが目的で、チャクラを開くとか、クラウディングなどは意識しません。
チャクラを開くのなら、その目的をしっかりと把握する必要があります。そもそもそのチャクラをその人が開く必要があるのか・・・把握できていない状態では、瞑想の効果もわからないのです。
【瞑想の本質】
瞑想の本質的な目的は心の安定です。目を閉じ、ゆったりした気持ちになれば良いのです。その先を求めるなら、事前の知識やスピリチュアルに対する認識をある程度必要です。
目を閉じて、静かに何も考えずにいる状態にいる・・・それだけでも効果は大きいのです。頭に何か浮かんできても思考を巡らさず、ただ浮かんでくるままでいます。瞑想はただ、無心になる事です。
人間の思考が目の前の現実を作っているという認識は、スピリチュアルな領域だけでなく、最近は量子物理学など最新科学でも徐々に明らかにされてきています。
高名な科学者はみんな「科学を突き詰めていくと、だいたい宗教と同じ世界になる」と明言しています。
もし、あなたが本当に「自分の信じきっていることが自分の周りの世界を作っている」と理解できるなら・・・1日に6万回以上行われると言われる人間の思考の中でも「マイナス思考」の影響は非常に大きいとわかるでしょう。
人間の思考は放っておけば、目の前の事実をもとに客観的な判断を下しているつもりでも、いつの間にかマイナス方向へと流れてしまいます。そしてマイナスの思考がさらにマイナスの思考を呼ぶのです。
瞑想はそんな流れを一旦空白にし、人間本来の意識状態へと戻る・・・いわゆるコンピューターのリセットのような状態なのです。「本来のあなた」へ戻るだけであなたの生活は徐々に健全な方向へと向かいます。
【集団心理の罠】
瞑想の本来の目的は「個々の人間が本来の自分へと戻る」ことです。そして瞑想中は生まれてから身につけてきた価値観などからある程度離れ、ただ自分の思考を見つめるだけなので、外部の刺激からは無防備に近い状態になります。
集団で瞑想をすると、どうしても近くにいる人の影響を受けやすくなります。多くの人が同じ方向に向かっているのに、1人だけ逆方向に行く事はほとんどありません。
その先に、何があるのかわからなくても、何故か周りに引きずられてしまいます。このような心理を集団心理と言います。
集団心理が起こした恐ろしい事件や歴史も数々あります。例えば、フランス革命の時の民衆の心理が、これにあたります。
▪フランス革命の悲劇
フランス革命では、たくさんの人たちが、ギロチンという恐ろしい処刑の仕方で命を落としています。このギロチンは、公開処刑という形で行われました。
しかし、民衆はその処刑の仕方に疑問も恐怖もなく、わざわざ物見遊山に出かけるように、芝居でも見に来たように平然と見ていました。
貴族という身分のものが処刑される。確かな罪もないのに、首を跳ねられる人を見て、ほとんどの民衆は勝ち誇ったように喜んで見ていました。
もし、冷静な判断が出来ているようなら、このような残酷な物を、まともに見る事すら出来ないはずです。
結局、民衆が我に返り、おかしい事に気づいたのは、散々たくさんの人をギロチンで処刑した1年後だったと言います。
特に瞑想中はこのような集団心理の影響を受けやすい状態になります。
【瞑想は危険ではない】
このように、人の心理を考えると、瞑想によっておかしな状態になった人たちがいても、その原因は瞑想ではなくこの集団心理にあるのです。
つまり、瞑想は正しく行えば人の精神を安定させる事が出来るメリットがあるだけで、危険な状態を作り出す原因にはならないと言えます。
《瞑想を始める前に》
最近、瞑想が流行っています。これ自体は素晴らしいことですが、流行りについて行く人はすでに集団心理の罠に落ちていると言えます。「瞑想は自分の中へと入っていく行為である」としっかり把握しておく事が大切です。
どうして自分の中に入っていき、自分を見つめる必要があるのか・・・しっかり把握すれば、周りに振り回されずにいられます。自分の思考の奥深くにある本来の自分をみる・・・これが瞑想なのです。
瞑想は危険なの?抑えておくべき7つのポイント
⑴ 集団心理
⑵ 瞑想の基本
⑶ 正しい瞑想法
⑷ 瞑想の本質
⑸ フランス革命の悲劇
⑹ 集団心理の罠
⑺ 瞑想は危険ではない