今時のことですから、離婚歴の一つや二つ、あってもなくてもそんなに気にしなくても良いのかもしれません。現に日本の離婚率を見ると、結婚した夫婦の三分の一が離婚してしまうというデータがありますからね。
ですが、子供がいると、相手のことが嫌になったとしても、簡単に離婚すると決めかねる人も多いと思います。
離婚を避けられないとしたら、優先すべきは子どもの気持ちですよね。離婚する時に感じる子供の負担やストレス、あらゆる負の気持ちを和らげるためのポイントを掴んでおきましょう。
親が離婚する時、子供の気持ちはどうケアする?5つのケアポイント
子供の気持ちを考えたら…。できることなら、片親にはしたくない。辛い思いをさせたくないと思うのは当然の親心でしょう。
それでも、割れてしまった陶器は元には戻せません。無理にくっつけても水を注げば割れたヒビから水が零れ落ちてしまいます。心がすれ違い、離れてしまった夫婦にも同じことが言えます。
その1.離婚時に親に言われてもっとも嫌な言葉「どっちについていく?」
私の両親も離婚しています。私が小学校高学年の頃に両親は離婚を決め、しばらく別居をしていました。その何年も後に籍は入れずに同居する形で復縁するのですが、離婚するまでの家庭環境は最悪で、毎日夫婦喧嘩をし、私と弟たちはそのたびに息をひそめるように生活をしていました。
そうして離婚を決意した両親が子供たちに向けて口にした言葉は、「離婚することになった。お前たちはどちらについて来るのか?」という問いかけ。
喧嘩をする両親が嫌いという気持ちと、殴られる母親がかわいそうという気持ち。殴る父親に対しては死んでくれと思いながらも平穏な時は子煩悩な面もあったので、やはり父親にも子供としての愛情もありました。どちらについていくのかという問いかけは、到底答えられる質問ではありません。
子供にそのような聞き方で最終的な判断をさせるのはお門違いでしょう。親の気持ちとしては、そう聞かざる得なかったことも大人になった今では理解できますが、子供に判断させるのではなく、希望を聞く程度に留めておくべきです。
子供の気持ちを考えるのであればこそ、どちらについて来るかと問うのではなく、子供の生活をどう確保するかを両親で話し合うことを優先したいですね。
その2.離婚時に子供にきちんと理由を相談すべきか?
子供の気持ちや立場からしますと、離婚理由などは「どうでもいい」ものです。目に見えてわかる離婚理由(例えば夫婦どちらかのアルコール依存や暴力、喧嘩が絶えないなど)であれば、わざわざ説明しなくても子供たちでも理解できますよね。
目に見え辛い離婚の理由、例えば夫の浮気が原因で離婚に至った経緯などを子供に説明するのは、子供が成長して聞きたがってからきちんと説明するのでも良いのではないでしょうか。
離婚の理由を説明するよりかは、きちんとこれからの生活がどのようになるのかを説明することが大切だと思います。
その3.とはいえ離婚の事実や状況を説明しないのは不親切
物心がつく年齢(幼児期)から、物事に理解が進む年齢(小学生低学年)に離婚をしなければならない場合、子供に分かる言葉でお母さんがいなくなること、お父さんと一緒に住めなくなることを説明しても、理解してもらうのは難しいでしょう。
それでも理解できないだろうからと説明しないのは、不親切すぎますよね。
子供の気持ちからすると「ないがしろ」にされている気がして当然です。きちんと説明してあげないと、自分のせいで両親が離ればなれになってしまったと感じる子供もいます。
なので、離婚理由そのものは、子供がある程度成長し、子供自身の受け入れが完了した頃合いを見計らってでも良いと思いますが、離婚の事実に対してはちゃんと説明したほうが良いのではないでしょうか。
さらに、子供のせいで両親が別れることになったのではないことは、きちんとわかるまで説明し、今後の生活に不安をなるべく与えないようにしたいですね。
その4.そもそも親の離婚に対して子供が思うこと
離婚時に子供が一番気にしていることは、親の辛さや気持ちよりも、自分たちの今後がどうなるのかと行ったことです。子供たちは意外にシビアに「今」を見つめ、感じており、切実な問題として自分の暮らしがどう変わるのかが不安でたまりません。
母親についていけば、今の学校を転校しなければならない。習い事も辞めなければならない。友達と離れなければならなくなる。
父親についていけば、生活水準は下がらないかもしれないが、身の回りの世話は誰がやってくれるのだろうか。家事やその他の負担をしなければならないのかといった、あらゆる計算を含む不安が小さな頭を駆け巡り、胸が締め付けられることでしょう。
その5.「子供のために離婚しない」より「幸せになるために離婚する」方がいい
離婚をすべきかを悩んでいるのであれば、ぜひ捉えて欲しいのは、子供は親の幸せを願っているということです。子供たちは、自分自身の生活の変化に対する不安を持ちながらも、親には笑っていて欲しいと思うものです。なので、辛くて我慢が一刻もできないのであれば、前向きに離婚を検討し実行した方が良いでしょう。
子供のために離婚せずに苦しむ親の姿を見て、喜ぶ子供はいません。もしも、「お前がいるから離婚できない」というような愚痴を子供に聞かせて結婚生活を続けているのであれば、即刻離婚することをお勧めします。
ただ、離婚する時期は、考えられる余裕があるのならば子供のために考慮しても良いと思います。多感期であったり、進学に影響するような時期に両親が離婚することになってしまうと、その後の子供の人生に悪い影響が出た時に、子供自身が親のせいにして苦しむ傾向が強くなります。
実際に、親の離婚が原因でイジメにあったり、劣等感を感じながら成長するケースもあるため、できるのであれば、子供の成長や生活に影響が少ない時期まで離婚を待つのもいいでしょう。
【まとめ】
親が離婚する時、子供の気持ちはどうケアすべきか、5つのポイントをお話してみました。
辛いですよね。せっかく一度は紡いだ家族が壊れようとしている時、子供たちは何を考え感じるものなのか。想像するだけで心が折れそうになる方もたくさんいらっしゃるでしょう。
ですが、一番考えるべきことは、自分の幸せであり、子供への愛情を忘れないことではないでしょうか。離婚して自分の人生をやり直す気持ちになったとしても、自分の子供への愛情を決して忘れませんように。
子供が大切だからと言って親権を争いドロドロの醜い姿を見せるよりも、離婚してからも子供が両親の愛を感じて、幸せに暮らせる方法を話し合う姿を見せる方が、より子供の気持ちを安定させると思いますよ。
難しいかと思いますが、どうかご自身の魂が試されているのだと悟り、離婚してからもお二人が子供たちに愛を注ぎ続けられますように。
親が離婚する時、子供の気持ちはどうケアする?5つのケアポイント まとめ
その1.離婚時に親に言われてもっとも嫌な言葉「どっちについていく?」
その2.離婚時に子供にきちんと理由を相談すべきか?
その3.とはいえ、離婚の事実や状況を説明しないのは不親切
その4.そもそも親の離婚に対して子供が思うこと
その5.「子供のために離婚しない」より「幸せになるために離婚する」方がいい