トラウマとは、過去に受けた心理的な傷、いわば心の傷が後の人生にも影響をおよぼすことを言います。傷ついた過去のできごとにずっと苦しめられる“トラウマ”はとても辛いものです。 トラウマを克服したいと勇気を出しておられる方に、また周囲の方にも知っておいた方がいいと思われる方法を7つ記します。
傷ついた過去はもうあなたを苦しめない、トラウマを克服する7つの方法
1.トラウマの存在に気がついたら
あなたがトラウマの存在に気がついたら、まず、気がつけたこと自体がとても大きな前進なのだとしっかり認識しましょう。心がトラウマに気づかないようにすることもあるからです。
それが辛く苦しい経験であればあるほど、あえて向き合わないようにして心を守ることもあるからです。トラウマ克服はゆっくりでいいのです。焦らなくていいのです。
2.トラウマをジャッジしない
トラウマを克服するということは、癒すことです。過去にどれだけ傷ついたか、そして実は今もその痛みが継続しているのだと受け入れることが癒しの第一歩です。
「ここに居るよ、気づいて!」と大声を上げているのに、ずっと無視されていたら辛いですよね。あなたが、あなたのトラウマにこう言ってあげてください。「あなた(トラウマ)の存在を知っています」と。
許すことも、無視することも、どんなジャッジを下すこともしなくて良いのです。まずはただ、トラウマの存在を認めるところからはじめましょう。
3.同じ失敗を繰り返すときはトラウマからの合図です
同じ失敗を繰り返したり、似たようなパターンにはまってしまうときは、トラウマからの合図です。トラウマを克服できるタイミングが訪れると、トラウマの方から教えてくれるのです。
例えば、表面上は会社での対人関係の失敗にしかすぎないことでも、まったく別のところに「トラウマ」があり、それが問題の原因になっていることがあります。
また、あんなに楽しかったのに、共感し合えたのになぜだか気が合わなくなってしまった。無理をして友人に合わせてみたけれど、会話もチグハグで噛み合わないし、やっぱり楽しくない・・・。
こんなことがあったら「進化のときが来た」と思ってください。古いエネルギーの殻を脱ぎ捨てて、新しいエネルギーに心を開いてください。人生はこのように、トラウマを克服するチャンスを幾度も作ってくれているのです。
4.アプローチ方法は様々
トラウマを克服しようとするとき、書籍などで心理学やトラウマ療法の情報を集めたり、知識を得ようとするでしょう。心理学にも、セラピーにも多くの種類があり、自分に合ったものを見つけることです。
ヒプノセラピーやゲシュタルトセラピーなどのよく知られるものから、IT企業経営者やスポーツ選手、ハリウッドスターなども実践する禅まで、様々なアプローチ方法があります。
まず、どんなアプローチ方法があるのかを知り、実践については良い指導者のもと行うことをお勧めします。
5.トラウマは頑張って生き抜いてきた証拠
トラウマが辛くて仕方がないときはこう思ってください。「頑張って生き抜いてきた証拠」なのだと。トラウマは敵ではありません。あなたと一緒に過去の辛い経験を共有してきた同志でもあります。
「私はもう大丈夫。一緒に悲しんでくれてありがとう」と言ってあげましょう。そして、優しく解放してあげるためのイメージをしてください。トラウマを小鳥に見立てて、心の窓をそっと開けるイメージがやりやすいでしょう。
小鳥が飛び立っていったら見送ってあげ、まだ飛び立てなかったら「そこに居たいなら居てもいいよ」と言ってあげましょう。トラウマが戻ってくることもあるかもしれません。それでもいいのです。繰り返し心の窓を開けて、「大空を自由に飛んできてもいいんだよ」と伝えましょう。
6.トラウマは決して弱点なだけではない
人は自分が体験していないことや他人の痛みに鈍感な一面があります。例えば、健康な人は、病気や怪我で苦しむ人の気持ちがわかりません。そこを埋められるのは知識と想像力と思いやりです。
苦しみを知っているあなたは、その3つを手に入れているのです。人としてこれほど尊いことが他にあるでしょうか。トラウマを抱いていると、それがまるで自分の短所や弱点だと思い込んでしまいますが、決してそれだけではないことを知ってください。
7.専門の機関へ
トラウマを克服しようとするとき、激しいフラッシュバックに苦しむことがあります。トラウマと向き合うことが一人では困難なケースもとても多いのです。
また、ごく親しい友人に相談しても理解や共感を得られずにさらに傷ついてしまうこともあります。他人から見れば、さほど辛くないだろうと思われるようなことであっても、その苦しみは本人にしかわかり得ません。
経験豊富な臨床心理士、トラウマを専門にしたカウンセラー、セラピストに問い合わせてみることも、癒しと克服の扉を開くきっかけになるでしょう。
トラウマ克服は、とてもプライベートなことをカウンセラーやセラピストに話しますし、ある程度の時間を要することも多いでしょう。焦らずに、信頼関係を築きながら進めましょう。
トラウマを克服する7つの方法 まとめ
トラウマは根が深いケースもあり、辛いと思うこともあるかもしれません。薄皮を1枚1枚はいでいくように、少しづつで良いのです。トラウマを解放するイメージなどやりやすいものから試してみてください。