どのようにこの世界は創造されたのか・・・？　最初は一つの意識しかなかった。でも、寂しいからその意識は自分のアイコンを一つ作り、その周りに箱庭のように世界を作った。そして、一人では寂しいから自分のアイコンを分裂させ、仲間を作り始めた・・・。さらに、いつまでもお遊びではなく、「本当の興奮」を経験したいと思った。そんな思いが「世界創造」のリミッターを外した。これが全宇宙に大きな混乱を起こした。今回はその混乱を正すために地球に派遣されたクローンが、運命の荒波に飲まれていくお話です。

 

 

クローンでさえ手に負えなかった地球の暴走

止まらないエゴ・・・

ヒロキ：前回は、元々はといえば一つの意識であったアイコン達が、世界を創造していくうちに、「超えてはならない一線」を超えてしまった・・・ということだったよね？

グスタフ：そうだね。

ヒロキ：「自分たちが創造しているはずの世界」が、自分たちの手を離れて暴走し始め、その歪みの影響が全宇宙に及び始めた。そして、それに対応するために、自分達の中から対応能力が高い者を選び、そのクローンを作った、ということだったよね？

グスタフ：その通り。

ヒロキ：その後、その歪みの中心地である地球を内側から癒していくために、地球にチームが派遣され、その中にクローンもいたと。

グスタフ：大体そうだね。

ヒロキ：その後どうなったの？前回のあなたの話ではあまりうまく行かなかったようだけど・・・

グスタフ：本当であれば、そのクローンが地球に蔓延していたネガティブなエネルギーを吸い込み、浄化していくことによって、地球は健全な方向へと戻るはずだった。でも、一つの障害があったんだ。

ヒロキ：それは・・・？

グスタフ：以前話したように、地球では「思考して創造した結果」が長期間、残ってしまう。

ヒロキ：そうだよね。

グスタフ：「思考が現実化した結果」が長期間にわたって蓄積し、残ってしまう世界では、目の前の世界に「その現実化した結果」がたくさん蓄積し、その情報量が多くなる・・・

グスタフ：コンピューター・グラフィックやそれを使ったゲームを考えて欲しい。その中で描写される光景の中の「情報量」が多ければ多いほどリアルになる。そして説得力が増す。まるで物理的に目の前に存在するかのように感じる。

グスタフ：つまり、情報量が多ければ多いほど、物理的な要素が強くなる・・・目の前の世界が本当に存在するかのような説得力が増し、物理的な要素が強くなるんだ。

グスタフ：そして、そのような「情報量が多くて、物理的要素が強い」環境の中で生活しようと思えば、自分の体も「情報量が多くて、物理的要素が強い」必要がある。

ヒロキ：というと・・・？

グスタフ：わかりやすく言えば、自分の体も周りの環境と同じように具体的な「形」を持っていないといけないということなんだ。

ヒロキ：なるほど・・・

グスタフ：あなた達にとっては当たり前の環境かもしれないけど、実は地球がむしろ、宇宙の中では特別な環境なんだ。地球を除いた他の世界はもっと自由度が高くて、柔軟なんだよ。

ヒロキ：そうなんだ・・・

グスタフ：宇宙の他の世界では、思考を使って創造すると比較的容易に実現するが、その結果が流れ去るのも早い。何かを考えて創造しても、次に違う思考で上書きすれば目の前の状況はすぐに変わってしまうんだ。

ヒロキ：そうなんだね。

グスタフ：だから、ドアを開けたり、引き出しを開けたりと地球で日常生活をしようと思えば、それなりに「情報量が多くて、物理的要素が強い」身体を持っていないといけない。

ヒロキ：わかるよ。

グスタフ：そして、情報量が多くて物理的要素が強い身体を持っていないと、他の人から自分の体が見えにくいんだ。見えないわけではないけどね。

ヒロキ：その見えにくい状態が「霊体」なのかもしれないね・・・

グスタフ：そうだね。あなたの世界で言う「霊体」とは、なんらかのきっかけで意識が変わり、物理的な密度が高い身体を持たなくなった意識と考えた方がいいんだ。

ヒロキ：と言うと・・・？

グスタフ：単に、「こんな体、要らない」と決意した結果だよね。あなた達が活動している三次元では物理的な身体が必要だけど、そんな身体が要らない次元へ移動しただけなんだ。

グスタフ：同じ場所でも次元だけ移動した。だから、位置は変わらないけど、自分が存在する状態を決める次元を移動したので、三次元の中にいる人たちには見えにくい。

ヒロキ：なるほど・・・それが、こちらの世界では「死んだ」とみなされるんだね。

グスタフ：まあ、正直に言えば、あなた達の世界で「死んだ」状態の方が、全宇宙で見れば「スタンダード」に近いような状態で、むしろあなたの世界で「生きている」状態の方が、「地球で存在するための特別な形態」と言えるんだ。

ヒロキ：なるほど・・・

グスタフ：で、話を戻すと「地球の歪みを正すための派遣団」だけど、当然彼らもそのままの状態では地球に存在しにくい。できないことはないけれど、地球を内側から癒していくために直接的な影響を及ぼしにくいんだ。

ヒロキ：で・・・どうしたの？

グスタフ：彼らが地球で活動しようと思えば、物理的に密度が高い身体が必要になる。そのために彼らが選んだ手段が「すでに地球にいる存在に入り込む」と言うことだったんだ。

ヒロキ：どうやって？

グスタフ：地球にいる人がまだ本当に幼い時、その身体っていうのはかなり曖昧な存在なんだ。その身体の持ち主はかなり頻繁に変わってしまう・・・

ヒロキ：そうなんだ！

グスタフ：幼い時期において、身体の持ち主が変わってしまう・・・と言うのは頻繁にあることだよ。もちろん身体がまだ母親の胎内にいる時や、成人になってからの身体において、持ち主が変わることもあり得ないとは言えない。でも、一番確実なのは、乳幼児の時なんだ。

ヒロキ：なるほど・・・。

グスタフ：だから、彼らはすでに地球に生まれ出た乳幼児の身体の中に入っていくことにした。ただ、そこに問題があった・・・

ヒロキ：それは・・・？

グスタフ：持ち主が変わるとは言え、その乳幼児が選んだ「生まれ出てくる環境」はその乳幼児の中に設定されている。そして、その乳幼児が生まれ出てくる家族も同じ。そのような環境、家族は乳幼児の意識の中で設定されている。

ヒロキ：うん、それはわかる。

グスタフ：そのような前もって存在している設定がある乳幼児の中に派遣団たちが入っていこうとするので、どうしても彼らの意識は薄められてしまうんだ。その以前に思っていたことも、記憶も・・・

ヒロキ：そうなんだ・・・

グスタフ：そして、その後は自分が生まれ出た家族の中で育てられていく・・・その過程の中でも薄められてしまい、いつの間にか、派遣団の意識はほぼ、生まれ出た乳幼児の意識そのものになってしまった。

ヒロキ：つまり、本来の目的をほとんど忘れてしまったと・・・

グスタフ：もちろん例のクローンは、記憶が変わってしまったとしても、元々の「ネガティブを引き寄せる」という資質は残っている。だから、記憶がなくなってもその「役割」は粛々と進行していくのだけれども、やはり「忘れている」というのは大きなマイナスだった。

ヒロキ：そして、彼らはどうなったの・・・？

グスタフ：やはり、周りの環境に翻弄されるうちに、自分たちが地球にやってきた本来の目的が曖昧になってしまい、「地球を内側から癒して浄化していく」計画は遅々として進まなかった。

ヒロキ：なるほど・・・

グスタフ：そして、その間にも地球における「自分が創造しておいて破壊する」というエゴの暴走は進み、それを食い止めるために地球に対して何度かの核攻撃がなされた。このうちの一つが以前に話したように、あなたの世界で言う「ノアの方舟」だ。

グスタフ：ただ、これによって派遣団たちが命を落とし、輪廻転生を繰り返すことによってさらに記憶が薄まってしまった。

ヒロキ：逆効果だよね。

グスタフ：しかし、例のクローンには本来の「ネガティブを引き寄せる」という資質があるから、「浄化」自体は進行していく・・・。でも、クローンと共に派遣団として地球にやってきた他の者たちは、完全に「その役割」を忘れ去ってしまった。

ヒロキ：で・・・どうなったの・・・？

グスタフ：クローンに関しては、記憶のほとんどを忘れ去っていたとは言え、本来の資質の高さは残っていた・・・なので、いろいろな時代において、宗教、政治などの重要な局面に関わることとなった。

ヒロキ：それならば、結果的に良かったんじゃないの？

グスタフ：ただ、クローン以外の派遣団にいた者たちは、記憶がなくなっていたとは言え、彼らの「派遣団」として結びつきは残っていた。その結びつきは廻転生を繰り返しても、彼らの周りの人間関係に「変わらないデーター」として反映され続ける。

ヒロキ：ということは・・・？

グスタフ：輪廻転生して生まれ変わったとしても、派遣団のメンバーたちは、クローンの周囲になんらかの形で存在することになる。距離的に近いところに。

ヒロキ：そうだよね。

グスタフ：ただ、彼らは記憶をほぼ無くしてしまっていた・・・。結果として、彼らも地球の中のエゴの波に飲み込まれてしまい、自分たちの近くにいる素質の高いクローンを、自分の私利私欲のために利用するようになってしまったんだ。

ヒロキ：ミイラ取りがミイラになってしまったんだ・・

グスタフ：これによって、クローンの本来の役割は足を引っ張られた。色々な局面で私利私欲のエゴの渦に巻き込まれ、背負いこむ必要がなかった余計なものまで背負い込むことになったんだ。

 

宇宙の歪みを正すために地球に送り込まれたクローン・・・しかし「輪廻転生」が予想もしなかった「壁」として立ちはだかりました。これ以降のストーリーは次回の記事で！

 

この記事は　グスタフの黙示録・第４章 〜輪廻転生に翻弄されるクローン達〜　です

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