最近、「オーガニック」という言葉がよく使われるようになりましたが、単に「健康的」という意味でしか認知されていないように思えます。
でも、むしろオーガニックの本当の良さが生きるのは、その良さを理解してこそなのです。
本当のオーガニックの意味がわかれば、オーガニックがあなたに与えてくれる恩恵は計り知れないものになるのです。
“オーガニック”の本来の意味を実践するための5つのポイント
1.オーガニックとは
最近では「回帰」するということが様々なところで見受けられるようになってきましたね。
無駄な物をなくす「断捨離」や、日本食を見直す機会を与えてくれる「正食」や「マクロビオティック」などは、私たちが本来持っていた生活様式や形式、生き方などを教えてくれます。
「オーガニック」のものを生活や食事に取り入れることも流行・興味関心の1つになり、巷に情報や商品が流通するようになりました。
オーガニックが持つ本来の意味は「生命の」「有機的」「根本的」といった根源を指す言葉です。
例えるなら英語で内臓器官を「Organ」といいます。
人間の身体に備わっている全ての内臓は、治癒力で回復はしても、完全に再生はしません。
オーガニックのものを使うということは、本来の力や質を備えたものを使うということです。
例えば食品では、有機食材をと入れることが良いとされています。
それは土壌と野菜そのものが農薬や化学肥料によって汚染されていない、健康を害する心配がないものを選ぶということです。
第一次産業では農薬や化学肥料を使用することによって生産効率を高め、害虫を駆除することで生産性と効率性を向上させています。
でも、こういったことが健康を害するため、消費者である私たちはよく考えて商品を選ばなければいけないのです。
オーガニックの食品であるポイントは、大きく分けて3つあります。
1.作物が2~3年の間、化学肥料が使用されていない土壌で栽培されているか
2.遺伝子組み換えの種が使用されていないか
3.飼料が有機食材で賄われているか
しかしオーガニックであるからといって、無害というわけではありません。なぜならオーガニック食材や食品といっても、完全に農薬や化学肥料を使っていないわけではないからです。
本来の意味のオーガニックと、実際に作られているものには若干の違いがあるのです。
そのため消費者である私たちは、身に安全のために、国産の食品を選ぶにしても、オーガニック食品を選ぶにしても、インターネットで産地や原材料を調べる、農協を利用する、国産の食品でもより安全性の高いものを選ぶことが必要になります。
ですからアレルギーを除いて、無害なものを求める時は、「無農薬」「無添加」「自然栽培」のものを求めるようにしてくださいね。
2.循環のため
私たちがオーガニックという言葉を使う時には、たいていの場合「私たちの体に良いから」という謳い文句や宣伝、流行や風潮が、本来の意味を見えにくくしています。
オーガニックが持つ「根本的」な意味合いは一体何を指し示すと思いますか?
自然界では食物連鎖があり、私たち人間はピラミッドに上に立つ立場の者が選ぶことが許されています。
しかし実際にトップに立つ立場というものは、全体の調和を取る立場でもあります。
でも、人間は自然界を牛耳っていますが、環境破壊や環境汚染は生き物だけでなく地球をも侵し続けています。
オーガニックはそういった私たちの現状と責任を考慮した上で、「全体性」を視野に入れた、生活をすることなのです。つまり、食物連鎖の頂点にあるものとして、責任のある食生活をするということです。
オーガニックの食材や食品を手にすることは視野を広げる第一歩です。
そしてその元を辿れば生産者が待っています。売り買いだけに留まらず、私たちが行っている需要と供給は自然界へも影響を与えます。
もしより農薬や化学肥料がない生産者が増え続ければ、地球にとって少なくとも以前よりも良い環境作りが始まるといっても良いでしょう。
オーガニックのものを使うという意識も大切ですが、オーガニックのものを使うことによって、その先にどのような結果が生まれるのかを考えることも大切です。
それは私たちの身体の機能、生殖機能だけでなく地球という私たちの故郷ともいえる大地の健康のためにもなるのですから。
3.情報の真偽
日本は平和ボケしているといわれる理由を見つけることはそれほど難しいことではありません。
アメリカは銃社会ですし、中東諸国では宗教上の争いや紛争が絶えません。
しかしそれはある意味、国によって上手くコントロールされている節があります。
食品表示に関していえば、日本は摩訶不思議な国政を行っています。
遺伝子組み換え食品は少量であれば「遺伝子組み換えでない」と表示可能であり、消費者は曖昧な表記と法律によって知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を口にしています。
日本ではオーガニックの認定は農林水産省が行っています。
しかし農林水産省が管轄外の食品、酒類、コスメティック商品は別省が行うため、認定が下りません。
認定が下りないためオーガニック食材や食品の質の向上も普及もしない市場が出来上がっているのです。
消費者は商品の原材料、加工料、添加物の種類を知ることができますし、生産者は表示する義務があって、その上で需要する側と供給する側のに信頼関係ができるはずです。
しかし現状はそうでないため、消費者である私たちは食品の表記や宣伝内容を鵜呑みにすることは大変危険といえます。
大きな視野で見れば「虚偽の内容」を示すことは人を害することになり、自然を害し、全体の循環を悪化させ、いつかその代償を支払うことになるでしょう。
そしてそれは生産者や大きな組織だけの問題ではなく、知らなかったけれども使い続けてきた消費者の責任にもなるのです。
私たちは大変生きにくい時代を生きていますが、この時代に相応しい行動が必要とされ、それが私たち自身と地球や自然を守ることに繫がるといえるでしょう。
4.オーガニックを実践する
オーガニックという謳い文句や流行を利用し、私たちは自然と自分たちの身体に優しい生活を始めることができます。
でも、一般的に安く取り揃えられる商品は、大量生産がなされるため、それだけの工夫がされています。
その工夫が身体や自然の害となる可能性は十分にありますし、本物の良質な商品が市場に出回ることが困難になることもあり得ます。
結局は市場まかせではなく、私たち1人1人が衣住食を中心にオーガニックの要素を増やしていくことが望ましいといえます。
〇食について
口から入るものが体内にダイレクトに吸収されるため、食材や調味料、嗜好品は慎重に選ぶ必要があります。
コンビニ弁当や外食、冷凍食品、加工食品などが出回るようになったため、私たちの舌は、過度な・多量の味付けに慣れてしまっています。
私たちの食生活で見直すべきものは、水、油、塩、砂糖、調味料です。
「アミノ酸等」「白砂糖」などは一般的に広く使われ消費されていますし、美味しく感じますが、依存作用が高く、健康には害となります。
油に関しても安易な商品を選んでしまうと、体内を酸化させる危険性があるため、良質なものを選ぶことが大切です。
塩もまた他国から輸入したものを再加工した商品は、原産地と異なることもありますので、食品表示に関しては注意が必要です。
調味料も昔ながらのものが良いとは限らないところが落とし穴です。
食に関しては追求すればするほど深いものがありますが、できるところから楽しんでオーガニックを続けていけば知識が深まり、知らぬ間に本当の意味でのオーガニックが人選できているようになりますから、とにかく始めることが大切ですね。
〇衣について
アレルギーをお持ちの方ならば、化学繊維や洗剤に対して肌が敏感に反応し、困っている方も多いのでは・・・と思います。
しかしこれは一般的な安価な商品を身に着けられない、使用できないというデメリットであると受け止めるより、より身体に合わせた生活ができるきっかけがあると受け止めた方が断然得ではないでしょうか。
流行や最新の技術の商品を利用することは必ずしも悪いわけではありませんが、機能性よりもご自身の身体がリラックスできるかどうかを基準に衣服は選ぶことが大切です。
また毎日の洗濯に使う柔軟剤は、「良い香りを含ませたものや汚れを強い洗浄力で落とす」か、または「漂白して汚れを見えなくする」かなど、表面的にはその特徴しか見えず、その本質がわかりにくい商品が多く出回っているように見受けられます。
私たちの肌には幾万もの毛穴があり、素肌が触れる肌着や衣服に接触するため、洗剤や柔軟剤をそのような表面的な特徴よりも、より肌に優しいものにすることが好ましいでしょう。
〇住について
私たちが地球や自然から大変な恩恵を受けていますが、私たち1人1人ができることは大変小さなことです。
電気や水道、ガスは毎日消費し、ゴミは毎時間のように増え続けます。
でも、ゴミは自分の家からなくなってしまえば行方を気にすることもありませんよね。
一体どこから私たちの生活の豊かさは来て、廃棄されるものはどこへ行くのでしょう?
地球は広く、無限に資源があり、ゴミなんてどこかに埋め立ててしまえばいいと本気で思っている人はいないかもしれません。
しかし自分の家が1つの惑星と考えたら、隣の惑星にゴミが溜まっている様子や、土地や建物が朽ちていく様子は注意すれば垣間見えるものです。
私たちにできることは無駄遣いをしないことに尽きます。
1人1人が必要な分だけを買い、余すところなく使うことで、生産され過ぎることはなくなるでしょう。
また本当に良い物だけが出回り、多くの人が使い続ければ、それは良い循環を生むことでしょう。
5.原初に立ち戻る
英語のOrigin:「起源」がオーガニックの語源ですが、生命の根源やあらゆるものの起源に思いを馳せる時、オーガニックという響きよりも更に重く、深遠な言葉があります。
「原初」という言葉は原始的なイメージを想起させる言葉ですが、生まれたままの、ありのままの、本来の姿の、といった意味合いもあります。
オーガニックを取り入れた生活をすることで、私たちの生活の中に余分な、押しつけられた、勘違いで身につけた習慣や購入した商品に次々に気づくことができます。
健康やダイエットといいますが、本来身体に必要な栄養素はサプリメントや出来合いの料理ではまかなうことができません。
逆に内臓器官に負担をかけてしまい、後々になって病院のお世話になることになりかねません。
病院で処方される薬についてもよく知っておく必要があります。
悪い言い方をすれば、薬も農薬や添加物、化学薬品と変わらない面を持っています。
「何かを良くするために何かに負担をかける」のです。
食について考えることで身体や習慣について考えるようになり、次第に広い視野を持って、物が何から作られ、誰によって作られ、どこで作られるのかにまで発展します。
それがオーガニックという言葉が持つ循環の表すところです。
環境破壊は私たちの生活と引き換えに起きていると言っても過言ではありません。
でも、物を頂くということには常に感謝して、感謝の気持ちを持てば、その物を与えてくれた人たちに対しても気を配ることができます。
エコに生きる、オーガニックに生きる、ナチュラリストとして生きる、断捨離を行う、それらは必ず根源となる地球に繫がり、私たちは原初の姿に立ち返り、今できることを実践することが必要ではないでしょうか?
“オーガニック”の本来の意味を実践するための5つのポイント まとめ
1.オーガニックとは
2.循環のため
3.情報の真偽
4.オーガニックを実践する
5.原初に立ち戻る